世界中のいかなる地域の、いかなる時代の統計を見ても、女性の平均寿命は男性を上回っています。もちろん、現在の日本でも例外ではなく、女性は平均的に約7歳、男性より長生きなのです。
 どうしてこんな不公平なことが起きるのでしょうか。「女性はしぶといから」と言う人がいますが、こんなのは答えになっていません。何故しぶといのかが問題なのです。
 若いときは、平均寿命の差なんて、あまり気にもならなかったのですが、年をとって人生の残り時間が少なくなってくると、随分と気になりはじめ、男性の一人として口惜しい限りなのです。こんなのを「ごまめの歯ぎしり」と言うのでしょう。
 活性酸素と寿命の関係が明らかになるまで、なかには「男性より女性の方が苦労が少ないから」と真面目に言う男性もおりましたが、もちろん、今こんなことを言えば、張り飛ばされ賀茂川に蹴落とされるのは必定でしょう。
 女性を女性らしくあらしめているのが、女性ホルモンであることはよくご存知のことと思います。男性と女性を比べると女性ホルモンの量が圧倒的に異なるのです。そして、この量の違いこそが女性が男性より長生きである原因なのです。
 高血圧や糖尿病等、いわゆる成人病といわれる一連の病気は、男性では 40 歳位からそろそろ始まりますが、女性ではその始まる時期は 10 歳弱くらい遅れています。このことは、毎年行われている京都市の住民基本健診(俗に市民健診)の結果でも明らかになっています。ちなみに、少し話はそれますが、この市民健診というのはかなり良い制度で、 40 歳以上の京都市民であれば誰でも年1回は受けることが出来ます。従来は決められた日時に決められた場所(保健所、学校等)に出向かなければならなかったのですが、最近では個別の医療機関でいつでも受けることができるようになりました。安物の職場健診より高度な検査を受けることが出来ますので、是非、ご利用なさるようお勧めします。
  脇道にそれ、スペースがなくなってきました。女性ホルモンがどうして長生きに関係があるのか、次号をお楽しみに。
(2004年4月1日掲載記事)