別図は、今までお話ししてきた老化や寿命と遺伝子や活性酸素の関係を図に表したものです。図の横軸は年齢を、縦軸には老化の度合いを示しています。一番上の横線は天井であり、老化の最終決着である「死」を意味しています。一番下の斜線Aは、遺伝子の定める寿命曲線なのでプログラム老化と呼ばれており、多分ほぼ直線に近いのだろうと推定されます。 35 歳くらいから、この直線から枝分かれした曲線Bは、実際の老化曲線で、次第に乖離を強め、 90 歳前後で天井にぶつかります。つまり、昇天するわけです。もちろん人生いろいろであり、全ての人がこうなるわけではありませんが、「歳をとって死なはった」と言われるような人は大体この線をたどられているに違いありません。
実際の寿命曲線である曲線Bは、プログラム老化曲線Aに細胞障害による老化(斜線の部分)が加わったものであることはお分かり頂けると思います。
前回お話ししましたように、この細胞障害は活性酸素によって引き起こされているわけですから、活性酸素による老化とも言うことが出来ます。活性酸素の影響を少しでも少なくすれば、その分だけ長生きできるという理屈なのです。
(2005年1月1日掲載記事)