前回、成長の過程ではその質や早さを個人の努力や意思により変更することが出来ないが、老化の過程ではそれが可能であるということを申し上げました。
 このことを説明するために、見ただけで老化の程度がよく分かるお肌を例にとって考えてみましょう。
 お肌も成長の段階では、よほどのことが無い限り、個人的な差はあまりありません。しかし、老化の進行の程度は、人によって随分差があります。よく往年の大女優が、テレビで対談などをしているのを見ることがありますが、 60 歳、 70 歳を過ぎていてもピカピカの張りのあるお肌をして、とてもその年齢に見えない人が多いですね。よく考えてみましょう。遺伝的に肌の老化の遅い人が、それを自覚して女優になったわけではありませんね。いつも若くありたいという意思を持ち、それに沿って努力しているからこそ、この結果が出ているのです。
 お肌の老化は、皮膚に含まれるコラーゲンというゴムのような物質が酸化され、古くなったゴムと同じようにボロボロになってくることによって起こります。皮膚に紫外線が当たると、これが皮膚に吸収されて活性酸素が発生し、その活性酸素がコラーゲンを酸化させます。こうしてコラーゲンが酸化されると、皮膚の張りが失われ、たるみやしわが発生します。活性酸素はその他にも、皮膚の中に老化色素を作り出し、これがしみやくすみの基になるのです。
 人間の皮膚の中で最も日光(紫外線)に当たりやすいのは顔であり、だから、しわ、しみ、くすみ、たるみは顔面に最も集中して発生します。人間の皮膚の中で最も老化が遅いのはお尻の皮膚であろうと言われていますが、そうだからといってお尻の皮膚が全く老化しない訳ではありません。 60 歳台の人のお尻の皮膚は、 20 歳台の人のお尻の皮膚と比べれば、顔の皮膚ほどではないにせよ、明らかに老化しています。
 この二つの事実から「皮膚の老化は歳とともに緩やかに進行するが、紫外線やストレスなどによる活性酸素の働きにより、その進行はより速くなる」ということが分かります。活性酸素の発生を抑制し、発生した活性酸素の働きを押さえ込めば、皮膚の老化はより緩やかになるのです。
  そうしてこのことは、人間の身体の他の部分に関しても全く同じなのです。

(2004年10月1日掲載記事)